このブログは嘘で出来ています。
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ミクオとリン。
クオリンと言えばクオリンだし、レンリンと言えばレンリン。クオミクと言えばクオミク。学パロ。
クオリンと言えばクオリンだし、レンリンと言えばレンリン。クオミクと言えばクオミク。学パロ。
「クオちゃん」
麗らかな木漏れ日のような日差しが窓の外に降り注ぐ。
日影になった教室の中の記憶さえ、穏やかな春を思わせるような怠慢に満ちた昼下がり。
「クオちゃん」
彼女は呼吸するよりも無意識に、僕の名前を呼ぶようになった。
同時に彼女の口から弟の名前が出なくって久しい。机に突っ伏して、睡眠を取っているとしか思えない程に微動だにしない彼女が、時計の秒針しか響かないこの部屋の中で、繰り返し僕の名前を呼んでいる。
どちらかといえば、寝言のようだ。いかに幸福な夢に意識を奪われれば、これ程軽やかに名前が呼べるのかと疑問に思ってしまうくらいに、彼女は僕の名前を呼び続けた。
けれど実際、彼女は眠ってはいない。彼女の意識は確実に、このグローバルウォーミングの中に育まれた、季節外れの小春日和の暖かさ、というよりもむしろ暑さと言っても過言ではない熱を捉えている筈だ。辛うじて見えるうなじは微かに汗ばんでいる。突っ伏していれば暑いだろう。
夢の中ならば幸福である筈の彼女は、無機質な現実の中で、苦し紛れに僕を呼んでいる。助けを求めている訳ではない。求めたい名前を必死に堪えるために、手探りに引き寄せた他の名前を繰り返し呟いているのだ。それが僕の名前だった。表面上僕に向けられる多大な感情。それは僕でない、他の第三者に向けられる、痛まし過ぎるくらいの恋慕。
「クオちゃん、クオちゃん、クオちゃん」
彼女の口から、「初音先輩」という言葉が出なくなったのも、それと同じ頃の話だろう。かつて彼女は、会話のほぼ八割が、「弟」と「初音先輩」という言葉で構成されていた。その頃の彼女は、とても明るい少女だった。表情はくるくると変わり、また、この二つのキーワードを口にした時は、それはそれは嬉しそうに笑ったものだった。あの頃の彼女には、こんな日影の教室は似合わない。小春日和に照らされて、広々とした校庭で友人とはしゃぎまわっているべき存在だった。
僕の苗字は初音という。だからこそ、彼女は「初音先輩と被る」という理由で僕の名前を勝手にちゃん付けで呼び始めた。呼ばれた当初は、正直屈辱的だった。よりにもよって、二つ下の後輩に。おまけに女子に。小馬鹿にされた気分だった。だから僕は、彼女が苦手だった。
「クオ、ちゃん……」
それがいつからこんな事になったのか。彼女は会話の内の言葉を殆ど無くし、代わりに僕の名前を呼ぶようになった。かつて目まぐるしく変わった表情は沈痛に沈み、痛ましい笑顔の仮面だけが張り付いている。家でもこの調子なのだろうか。ならば、もし気付かないとすれば、僕は驚きの念を禁じ得ない。それと同時に、僅かばかりの怒りをも覚える。
僕でも気付く彼女の擬態に、気付かない筈がないのだ。つまり、気付いていても、何もしていないの方が正しいのだろう。いつになれば舞台の幕は引かれるのか。滑稽なピエロのダンスは楽しいか?
「クオちゃん、クオ…」
「レンはまだ部活。もう帰ったら」
「……クオちゃーん…」
相変わらず突っ伏したまま、彼女は僕に腕を伸ばした。向き合うように机を挟んで座った僕の、文庫本のカバーに触れる。この調子じゃこっちも部活動は出来なさそうだとあっさり切り替え、僕は彼女の手がそれ以上動く前に、立ち上がる。
「僕はもう帰るよ。君は?」
「……冷たいね、クオちゃん」
「そういう性格なもんでね」
慕い尽くしていた先輩と、側にいることを疑わなかった半身を、同時に奪われるのは一体どんな気分なのだろう。少なくとも、明るい少女から笑顔を奪うには、十分な打撃なのだろう。
二人の間に愛が生まれてしまったらば、僕は何も言わないだろう。落ち込む彼女を慰めもしよう。けれど、彼等の間にあったのは、互いの腹を探り合う視線、同じ糸を引き合う者同士の指先の均等。そして何かを押し隠して意味を孕ませた言葉の端々。ミクとレンは愛し合ってなんていない。それが、僕がこの本の文字の羅列越しに見た、非常に個人的な一つの解釈だった。当たってるのか外れてるのか、僕にはよく分からない。
「クオちゃん、」
僕に分かるのはただひとつ。
目の前の少女の孤独だった。
「さびしい、よ……」
奇遇だね僕もだよ。
+++++
リン→レンミク←クオみたいな。
実はレンミクはレンミクでも何でもなく、双子の姉好きになりましたマジパネエっすとかいったレンにおk擬似恋愛から始めるぞと言ったミクお姉さんでした。恋愛してみてそれでも好きだったら、恋に恋して頑張れ少年マジパネエっす先輩みたいになる筈だったのに、うっかりこの後クオリンに走る。レン涙目。レンざまあ。
正しい近親なんとかの方法を只今全力で模索中なのでした。誰か正しい双子の恋の落ち方・正しい双子の恋愛のし方を教えてくれ。
麗らかな木漏れ日のような日差しが窓の外に降り注ぐ。
日影になった教室の中の記憶さえ、穏やかな春を思わせるような怠慢に満ちた昼下がり。
「クオちゃん」
彼女は呼吸するよりも無意識に、僕の名前を呼ぶようになった。
同時に彼女の口から弟の名前が出なくって久しい。机に突っ伏して、睡眠を取っているとしか思えない程に微動だにしない彼女が、時計の秒針しか響かないこの部屋の中で、繰り返し僕の名前を呼んでいる。
どちらかといえば、寝言のようだ。いかに幸福な夢に意識を奪われれば、これ程軽やかに名前が呼べるのかと疑問に思ってしまうくらいに、彼女は僕の名前を呼び続けた。
けれど実際、彼女は眠ってはいない。彼女の意識は確実に、このグローバルウォーミングの中に育まれた、季節外れの小春日和の暖かさ、というよりもむしろ暑さと言っても過言ではない熱を捉えている筈だ。辛うじて見えるうなじは微かに汗ばんでいる。突っ伏していれば暑いだろう。
夢の中ならば幸福である筈の彼女は、無機質な現実の中で、苦し紛れに僕を呼んでいる。助けを求めている訳ではない。求めたい名前を必死に堪えるために、手探りに引き寄せた他の名前を繰り返し呟いているのだ。それが僕の名前だった。表面上僕に向けられる多大な感情。それは僕でない、他の第三者に向けられる、痛まし過ぎるくらいの恋慕。
「クオちゃん、クオちゃん、クオちゃん」
彼女の口から、「初音先輩」という言葉が出なくなったのも、それと同じ頃の話だろう。かつて彼女は、会話のほぼ八割が、「弟」と「初音先輩」という言葉で構成されていた。その頃の彼女は、とても明るい少女だった。表情はくるくると変わり、また、この二つのキーワードを口にした時は、それはそれは嬉しそうに笑ったものだった。あの頃の彼女には、こんな日影の教室は似合わない。小春日和に照らされて、広々とした校庭で友人とはしゃぎまわっているべき存在だった。
僕の苗字は初音という。だからこそ、彼女は「初音先輩と被る」という理由で僕の名前を勝手にちゃん付けで呼び始めた。呼ばれた当初は、正直屈辱的だった。よりにもよって、二つ下の後輩に。おまけに女子に。小馬鹿にされた気分だった。だから僕は、彼女が苦手だった。
「クオ、ちゃん……」
それがいつからこんな事になったのか。彼女は会話の内の言葉を殆ど無くし、代わりに僕の名前を呼ぶようになった。かつて目まぐるしく変わった表情は沈痛に沈み、痛ましい笑顔の仮面だけが張り付いている。家でもこの調子なのだろうか。ならば、もし気付かないとすれば、僕は驚きの念を禁じ得ない。それと同時に、僅かばかりの怒りをも覚える。
僕でも気付く彼女の擬態に、気付かない筈がないのだ。つまり、気付いていても、何もしていないの方が正しいのだろう。いつになれば舞台の幕は引かれるのか。滑稽なピエロのダンスは楽しいか?
「クオちゃん、クオ…」
「レンはまだ部活。もう帰ったら」
「……クオちゃーん…」
相変わらず突っ伏したまま、彼女は僕に腕を伸ばした。向き合うように机を挟んで座った僕の、文庫本のカバーに触れる。この調子じゃこっちも部活動は出来なさそうだとあっさり切り替え、僕は彼女の手がそれ以上動く前に、立ち上がる。
「僕はもう帰るよ。君は?」
「……冷たいね、クオちゃん」
「そういう性格なもんでね」
慕い尽くしていた先輩と、側にいることを疑わなかった半身を、同時に奪われるのは一体どんな気分なのだろう。少なくとも、明るい少女から笑顔を奪うには、十分な打撃なのだろう。
二人の間に愛が生まれてしまったらば、僕は何も言わないだろう。落ち込む彼女を慰めもしよう。けれど、彼等の間にあったのは、互いの腹を探り合う視線、同じ糸を引き合う者同士の指先の均等。そして何かを押し隠して意味を孕ませた言葉の端々。ミクとレンは愛し合ってなんていない。それが、僕がこの本の文字の羅列越しに見た、非常に個人的な一つの解釈だった。当たってるのか外れてるのか、僕にはよく分からない。
「クオちゃん、」
僕に分かるのはただひとつ。
目の前の少女の孤独だった。
「さびしい、よ……」
奇遇だね僕もだよ。
+++++
リン→レンミク←クオみたいな。
実はレンミクはレンミクでも何でもなく、双子の姉好きになりましたマジパネエっすとかいったレンにおk擬似恋愛から始めるぞと言ったミクお姉さんでした。恋愛してみてそれでも好きだったら、恋に恋して頑張れ少年マジパネエっす先輩みたいになる筈だったのに、うっかりこの後クオリンに走る。レン涙目。レンざまあ。
正しい近親なんとかの方法を只今全力で模索中なのでした。誰か正しい双子の恋の落ち方・正しい双子の恋愛のし方を教えてくれ。
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