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ぐみや君とがくこさんの無駄に厨二くさい話。

 


ぐみや君が流行った辺りから、マイナーだろうけどきっと誰かがやってくれるに違いないと思い続けてたんだけどひょっとしてもう一年くらい経っちゃうんじゃないかな?あれ?っていうぽいど姉弟。ぽいど姉弟っていうとがちゃぽとぐみちゃんな感じもしますけどぐみやくんとがくこさんです。そんなにマイナーな発想じゃないと思ってたんだけどなー、アー…。

ぐみや君→がくこさんです。ミヤグミじゃないですすみません。リント君が友情出演してます。
 


 時刻は午後四時。しとしとと小雨が降り注ぐ。自転車を脇に置き、雨を凌ぐ為駆け込んだ店の軒先で、空を見上げた。
 ついてない、と思った。天気予報は、大嘘つきだ。それでも、言い訳がましく信じた天気予報が、昨日の夜のものだった事実に変わりは無い。携帯は、相変わらず馬鹿の一つ覚えのようにちかちかとランプを点滅させ、メールの着信を伝えている。たった一人、雨雲の下に立ち尽くしながら、彼はそれに気付かない振りをする事しか出来なかった。



 今朝、慌ただしい朝支度の合間に、『お出かけには折り畳み傘を持って』と茶の間に微笑みかけた女子アナの声を、勿論聞かなかった訳では無い。けれど、それよりも、天気予報が流れる時刻の方が、彼にとっては重要だった。質素ながらバランスの取れていそうな(あくまでいそうな、だった。彼は食事の栄養価に興味が無い)朝食を、殆ど噛まずに飲み込みながら、それでも余す事なく平らげる。朝食は必ず和食だった。毎度朝は慌ただしく家を出ていく彼にとって、どちらかと言えばくわえたまま家を出る事が出来るパンの方が有り難いのだが、頑として姉が譲らなかった。白米は日本人の魂だと言ってのける意志の強い姉を、言い負かす事が出来なかったのだ。

 「ぐみや、もっとゆっくり食べなさい」
 「急いでんの」
 「じゃあもっと早く起きなさい」

 向かい側の椅子に浅く腰掛け、呆れたように、それでいてどこか楽しそうに溜息をついた姉に、うっせとぐみやは小さく呟いた。目敏い姉が、その呟きを聞き漏らす筈が無いと知りながら、平らげた茶碗と箸を机に置く。「ごちそーさん」と言いながら椅子を引くと、フローリングが軋んで大きな音を立てた。質素な和食と、白いレースに縁取られたテーブルクロス。神棚とラフなTシャツ姿の姉。それが、しばらく後には白と赤の袴に身を包んで、神に仕える一種の聖職者として慕われているのだから、どうしたって噛み合わない。

 幼い頃に両親を亡くしてから、親代わりに自分を育ててくれた姉に、感謝をしていないとは言わない。けれど、たった一人の神社の跡取り娘として、または不真面目な弟の面倒を見る姉として、いつでも快活に笑っている姉を見ると、じわりとした何かが喉元まで込み上げる。それを慌てて飲み下し、ぐみやは椅子の横に掛けていた鞄を手に取った。それを肩に掛け、玄関の方へと足を向けると、かたんともう一つ椅子を引く音が聞こえる。玄関までの道は、そう長いものではない。磨かれた床を靴下のまま歩き、履き潰された運動靴を爪先に引っ掛ける頃には、廊下には姉の姿があった。一つに纏めた長い髪を、邪険にするでもなく掻き上げて、振り向いたぐみやににっと唇の端を吊り上げて笑って見せる。シャツとジーンズだけに守られた、眩しいくらいに白い肌だった。彼女は、端正な顔立ちをしていた。自分には、余り似ていないとぐみやは思っていた。

 「今日の帰りは?」
 「別に。フツー」
 「そう。駅前スーパーでね、卵が安いの。買って来てくれるとお姉ちゃん嬉しいなあ」
 「姉貴が自分で買ってくりゃいいだろ」
 「お姉ちゃんは色々忙しいから」
 「どうせこねえよ、参拝客なんて」
 「そう言わないの、ね?」

 両手を腰に当て、呆れるというよりは宥めるように優しく肩を竦めた姉から、慌てて逸らした。それ以上の会話を無理に切り上げ、潰れた踵で地面を蹴る。玄関の扉を開けて、「行ってきます」と声を張り上げると、一瞬の間を置いて軽やかな笑い声がその背中を追い掛けた。

 「行ってらっしゃい、ぐみや」

 扉の閉まる直前に、振り向いた先では、見慣れた笑顔で姉が笑っていた。かつて、小さかった自分の手をいつだって引いてくれた大きな姉が、いつの間にか自分よりも小さくなっている事に、また気付かない振りをした。

 

 


 

 「ぐーみや、今日お前んち行っていい?」
 「無理」
 「うわっまたかよ!いつなら行っていいんだよーぐーみやー」

 ほぼ毎度と化した級友とのやり取りに、頭痛を感じつつも同じ答えを繰り返せば、リントは盛大な溜息と友に椅子ごと体を後ろにのけ反らせた。もしここが窓際でなく、リントが壁に背を持たれて座っていなければ、その背中を床目掛けて引きずり落としてやっていた所だろう。

 リントとは、今年から同じクラスになった仲だった。互いに真面目に物事を捉えるのが苦手という性質を持ち、共に自転車通いである彼らが打ち解けるのに、そう時間は掛からなかった。
 地毛なのか染めているのか、日の光を反射する淡い金髪をまるで女子のようにヘアピンで留め、いつだって人懐っこく笑っているリントは、性格容貌共にかなり女子受けする方だった。本人もそれを自覚しているのか、リントの回りには常に浮ついた噂が絶えない。しかし、どうにも本人の好みが年上の女性らしく、特定の相手がいるという話は聞かない。むしろ、ぐみやがこの友人によく聞かされるのは、あの先輩は可愛いやらあの教育実習生かなり良くね?この間電車の中で超可愛いお姉さん見付けて云々、といった話ばかりだった。
 その程度の話ならは、言っても思春期、ぐみやもさして気にする事なく聞いている事が出来た。しかし、言っても思春期。そんな友人の、今一押しの『美人で年上のお姉さん』が、自分の身近な存在だというは流石に黙っていられない。

 「なーぐみやーいいだろー、俺は友達として、お前の家に遊びに行きたいんだよ。友達なら家くらい招いてもいいだろーぐーみやー」
 「何が友達だよ……お前はどうせ姉貴目当てだろ」
 「だってがくこさん超美人じゃん。俺超好みなんだけど、彼氏いるの?年下の差とか気にしないタイプ?」
 「弟の前で姉貴をガチ狙い発言してんじゃねーよ!」
 「お義兄さんと呼んでくれてもいいんだよ」
 「呼ぶかァ!!」

 リントの家は、学校から近くではあるものの、駅から電車を利用しなければ通学出来ない。対して、ぐみやは学校と家とを自転車で行き来出来る距離だ。同じ市街であれど、多少距離があるのなら特に問題はないだろうと、うっかり自分の家が一部地区では有名な神社であるという事を零して以来、延々とこの調子だった。隙あらば家に寄り、あわよくば姉の連絡先をと迫ってくる級友に、何でも良いから早く彼女作ってくれと祈る日々が来ようとは。あの頃の自分は知りもしなかっただろう。
 リントを少なからず知っているからこそ、絶対に姉に近寄らせる事は出来ない。友人としては、無駄に明るくノリも良く、ただ少し面白い事を好み過ぎるという難点があれど、一緒にいて退屈する事のない良い友達だったが、たった一人の姉(同時に家族とも言える)の恋人候補としては、大変御免被りたかった。あの姉が、弟の同級生なんかに目を向けるとも思えなかったが、『女子受け』するリントのルックスと態度が、幅広い年齢層に同じような効果を持つ事を、彼は十分な程知っていた。

 「とにかく、絶対駄目だからな!押しかけても来るなよマジで」
 「えー。まあ、シスコンぐみやに免じて今日は引き下がってやるわ。つーかお前シスコン過ぎじゃね」
 「バッちげえ!何言ってんだよ俺はただお前が姉貴となんかそーいう感じになるのが気に入らないってだけでだから」
 「ハイハイ。そんなんだからぐみやにも彼女出来ねーんだよ。お前いっつも『優しいね』止まりじゃん」
 「ぐっ!!」

 痛い所を突かれて思わず机に突っ伏す。確かにリントが数多の女性からラブレターなんてものを受け取っているすぐ横で、ぐみやはちょっといいな、と思った女の子に、「ぐみや君は優しいから、相談出来るかなって思ったの。ぐみや君、リント君と仲良いよね?私、どうしてもリント君に渡したいものがあってあっうんありがとう!やっぱりぐみや君は優しいね!」何て言うやり取りをしていたのだった。それくらい、彼の青春の大部分はこの友人に奪われていた。リントからしてみれば、そこで馬鹿正直に取り次ぐのが、良い人止まりの所以、らしい。

 「でもがくこさんくらい美人なねーちゃんいたら彼女なんかいらないよなー、しかも二人暮しだろ。あーマジ羨ましい」
 「……あのな、姉貴だぞ?ホントにな、お前らは好き勝手妄想してくれるけど、家族だからな。そういうの全っ然これっぽっちも感じねーから」
 「へーへー。家族、ね」

 思わず上がりそうになる訳も分からない妙な熱に、矢継ぎ早に言葉をまくし立てると、かたん、と音を立てて、リントは椅子ごと姿勢を元に戻した。僅かに細められた瞳は、いつの間にかぐみやを見てはいなかった。それは、ほんの少しではあったが、確かに僅かな刺を持って、蔑むように、乱雑に投げられた言葉に、話の続きをむっと飲み込む。それきり、二人の間に沈黙が流れた。教室は未だ騒がしい。何かがリントの琴線に触れ、同じようにぐみやにも触れた。それが分かった時、彼らは二人揃って沈黙する以外の方法を知らなかった。

 不意にリントが空を見上げ、「雨降りそーだな」、と呟いた。見れば、重たい雲が、霞み掛かった空を静かに飲み込もういる所だった。机に頬杖を付き、そうだな、と呟き返すと、なぜか玄関に取り残された姉の笑顔を思い出した。

 

 


 学校を出て、まだしつこく迫るリントを何とか追い払い、駅前で買い物を済ませる頃には、空は雨雲に被い尽くされていた。しとしとと降り注ぐ、午後四時の静かな雨。思わず深く溜息をついた。朝の記憶が、フラッシュバックのように呼び出され、どうして傘を持ってこなかったのかと自分を悔やむ。辺りは重たい湿気に包まれていて、待てば止むような一時的な雨ではない事くらい、考えるまでもなく感覚で分かった。別に、濡れて帰る事は構わないのだが、どうしてか気分が落ち込む。近頃の自分の気分は、まるで雨空みたいだと自嘲気味に呟いた。降ると思ったら降らない、降らないと思ったら降る。いっそ、俺が傘を持っていないタイミングに合わせて降ってるんじゃないだろうかと思うと、雨雲相手に舌打ちの一つでもしたくなる。

 「あー、あ」

 意味も無く声を上げ、腹立ち紛れに携帯でも開こうと制服のポケットに触れた瞬間、突然そこから細やかな振動が伝わった。メールの着信を告げるそれに、条件反射で携帯を開こうとして、止める。見覚えがあるようで無いランプの色。それはぐみやの手の中で、すぐに消えて沈黙する。『家族』に振り分けられた着信音は、今は一人の為にしか使われていない。少し躊躇い、結局見なかった振りをする。そうやって、ぐみやは姉と向き合う事を避けている。

 いつから、こうなってしまったのか。姉が、母親代わりなんかじゃないと、そう思い始めた時か。その手を握る事が躊躇われ、また自分に向けられる加護する者への微笑みから、目を逸らしたくなった時か。姉が、あの狭い家の中で、自分の為に全ての世界を切り捨てている事に、気付いてしまった時だろうか。
 本当は、彼は答えを知っていた。リントが呟いた『家族』と、自分の言う『家族』の温度差。気になる女子に対して『優しい』止まりで終わるのも、他人の口から姉の名前が呼ばれる事を嫌悪するのも、きっと理由は同じだ。それを知り、それに気が付いて、見て見ぬ振りをする以外、一体何が出来るのだろう。

 ぐみやにとって、姉はたった一人の家族だ。いくら歳が離れているからと、守られているのはとても歯痒い。けれど、『弟』である事を止めた時、そこには何が残るのだろうか。知りたくない、気付きたくないから、目を逸らす。柔らかく笑むその人が、驚愕と嫌悪に瞳を震わせて、それでも自分を傷付けないよう、決して合わない瞳のまま、無理に唇を震わせるその姿なんて、見たくなかった。


 「―――ぐみや!」

 昏々と、柄にもなく深い思考に耽っていたその時。突然、ぽん、と軽く肩を叩かれた。それは、本当に軽い力だったが、ぐみやにとってはまるで心臓を鷲掴みににされたような、その上脊椎辺りに蹴りを入れられたような、そんな衝撃だった。危うく水溜まりに落としそうになった携帯を握り直し、慌てて後ろを振り返ると、そこにはつい先程まで頭の中に思い描いていた、見慣れた笑顔があった。

 「ねっ、姉ちゃん!?」
 「やっぱりここだった。卵買ってきてくれた?」
 「はぁ!?つーか、え、なんでいんの!?」
 「なんでって……迎えに来たに決まってるでしょ?雨降って来たから」

 一つ傘を空に向け、もう一つの傘を差し出す姉は、湿気を微塵も感じさせないからりとした笑みを浮かべていた。携帯は、メール以外の着信を告げてはいない。なぜここにいるのが分かったのか、という疑問は、今朝のやり取りを思い出せばさして不思議でもなかった。もしぐみやが、姉の言い付け通りに行動していたとしたら、駅前のスーパーで立ち往生している事はまあまあ予測の範囲内である。けれど、ぐみやがスーパーの前で待っているとも限らないし、そもそも言い付け通りに買い物なんてせず、学校から直接帰ってしまう可能性だってあった。けれど、現に彼がここにいて、彼女がここにやって来たのは、やはり家族だから、なのだろうか。この雨の中、わざわざ姉の為に出掛けた弟と、弟の為わざわざ迎えに来た姉。家族だから、で済ませてしまえば、何事もなく過ぎ去るだけの些細な日常に過ぎなかった。

 空を指差すその笑顔に、雨は全く似合わなかった。むしろ、その傘の下だけ、雨雲はとうに逃げ去ってしまったようだと、驚きに硬直した脳はそんな事すら思った。緊張の氷がゆるゆると溶け、雨になって再び頭上に降り懸かった時、姉は萌黄色の傘を差し、ぐみやの上に差し出していた。

 「さ、帰りましょ」

 からりと笑う、その唇を。

 まるで、能面のようだと思った。


 「あ、卵ありがとね。後でお金渡すから」
 「……いらねーし。つか姉貴の為じゃねーし」
 「あれ?姉ちゃんって呼ぶの止めちゃったの?久しぶりだったのに」
 「っ!!呼んでねーし!聞き間違いだろバカ姉貴!!」
 「はいはい」

 くすくすと笑いながら歩き出す、そのゆらりと揺れる長い髪につられて、渋々とぐみやも後に続く。自転車を押しながら傘を差すと、少し歩きにくかった。それでも、違う歩幅で進む二人は、決して距離を開く事は無かった。離れる事もなく、けれど近付く事もない。自転車一つに挟まれたごく有り触れた距離だった。けれど、そこから少しでも動いてしまえば、日常は容易く壊れてしまう。
 メールしたのに、と言う姉に、気付かなかった、とぐみやは返す。そう、『気付かなかった』、のだ。そうして彼も、また面を被る。それはきっと、細い糸のような目から世界を覗く、狐の面と同じだろう。些細な嘘に、気付かない筈が無いのだ。『家族』なら。それでも彼女は、そう、と呟くだけだった。気付かない振りの静寂は、まるでしとしとと降り注ぐ霧雨のように、彼等にとって心地良かった。それは互いに変わりない。

 











+++++

「キャーーーー兄上兄上あにうええええ!!キャーーーー兄上は本日も麗しゅうございますキャーーー、キャーーーー!!(バタッ」

を、自分なりに性転換したらツンデレ系ヘタレ男子になったというのだから不思議です。

ボーカロイド亜種なぐみや君が上手く想像出来なかったので学パロなんですけど亜種学パロ楽しいです。学パロならリント君はモテモテ男子だと思います。女子校に通う双子の妹がいるけど一切口外しないせいで誰も知らないとか、学校では明るくてちゃらいけど家では基本無口とかそれなんて井浦とか思ってました。結局リント君じゃないですか。
そしてリント君とがくこさんがフラグ立てたからにはレンカちゃんとぐみや君もフラグ立てるに違いないと思ってる。なぜなら私ががくリンレンぐみ好きだからです。

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